岸田政権という名の安倍延命政権【適菜収】
【隔週連載】だから何度も言ったのに 第4回
名古屋・西署が窃盗の疑いで病院職員殿山周平容疑者を逮捕。勤務先の病院に入院していた男性のキャッシュカードで、36回にわたり約1600万円を引き出したとされる。署によると「お金を下ろしたのは事実だが盗んでいない」と容疑を否認しているとのこと。
世の中が腐ると泥棒まで安倍レベルになってくる。「募ったのは事実だが募集はしていない」みたいな。
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ぼけ老人のツッコミ合い。討論番組「朝まで生テレビ!」で司会者の田原総一朗(87)が、河野太郎が「脱原発」や「女系天皇容認」の持論を封印した理由について披露。しかし、その内容を河野は否定。面白かったのが、この件について、「政治評論家」の屋山太郎が、「河野氏が否定している以上、『田原氏の発言が間違い』か、2人のやり取りは『オフレコ扱い』だったのだろう。田原氏が(公共の電波に)出すべきか否かの区別が分からないのだとすれば、そろそろ司会者を引退した方がいい」と批判していたこと。
田原が引退すればいいのは事実だが、それを言っているのは、デマを散々垂れ流し続けてきた89歳のボケ老人である。屋山が静岡新聞に書いた「ギクシャクし続ける日韓関係」なるコラムでは「徴用工に賠償金を払えということになっているが、この訴訟を日本で取り上げさせたのは福島瑞穂議員」「実妹が北朝鮮に生存している」などとデマを連ねていた。そもそも福島に妹はいないし、生まれも育ちも国籍も日本。元徴用工訴訟にも関与していない。結局、静岡新聞は謝罪に追い込まれた。
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先日、Amazonのプライムビデオで『よくおごってくれる綺麗なお姉さん』という韓流ドラマを見た。変なタイトルだが、内容は面白かった。
屋山といえばその時々の政権を礼賛し、デマを流しながら小銭を稼いでいる三流の乞食ライターだが、一体いつまでおごってもらうつもりなのか?
芸は規制緩和と大声をあげ、官僚を悪玉にして大衆受けを狙うだけ。小泉純一郎の構造改革を大絶賛し、自民党が劣勢になると、民主党を大絶賛。民主党が落ち目になれば、橋下徹を大絶賛し、「次の総理」と持ち上げる。安倍晋三に食事をおごってもらえば『それでも日本を救うのは安倍政権しかない』というヨイショ本まで書いてしまう。それなら安倍政権も終わったので、日本も終わりですかね。
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デマ屋といえば「Dappi」の件。
安倍晋三や麻生太郎といった特定の政治家が有利になる情報を流す傾向のある「Dappi」なるネトウヨアカウントは、野党議員の発言を捏造したり、切り取り歪曲した動画を流し、たびたび問題になっていたが、このアカウントが個人ではなく東京都内に本社を置くウェブ制作会社により運営されていたことが発覚。その得意先は「自由民主党」だった。
国民を騙すために税金を使って企業にデマや歪曲動画を制作させ、個人を装って、世論形成・世論誘導を行っていたとしたら、国や社会、政治を破壊する蛮行であり、自民党解体も視野にいれるべき案件である。
なお、その企業は、岸田や甘利明が代表取締役を務めていた企業と取引関係にあったという。文字通りの「悪党」である。
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[caption id="attachment_1058508" align="alignnone" width="525"] ◆成功体験のある人間ほど失敗するのはなぜか
◆ 新型コロナが炙り出した「狂った学者と言論人」とは
高を括らず未知の事態に対して冷静な観察眼をもって対応する知性の在り処を問う。「本質を見抜く目」「真に学ぶ」とは何かを気鋭の評論家と作家が深く語り合った書。
はじめに デマゴーグに対する免疫力 中野剛志
第一章 人間は未知の事態にいかに対峙すべきか
第二章 成功体験のある人間ほど失敗するのはなぜか
第三章 新型コロナで正体がばれた似非知識人
第四章 思想と哲学の背後に流れる水脈
第五章 コロナ禍は「歴史を学ぶ」チャンスである
第六章 人間の陥りやすい罠
第七章 「保守」はいつから堕落したのか
第八章 人間はなぜ自発的に縛られようとするのか
第九章 世界の本質は「ものまね」である
おわりに なにかを予知するということ 適菜 収[/caption]
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